定年まで働けば退職金を貰うことができる。
そのことを当たり前だと思っていませんか?
もちろん素晴らしいような退職金をもらうことができる会社はあります。
しかし、退職金が全くない会社もあるのです。
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退職金制度とは
退職金(たいしょくきん)は、退職した労働者に対し支払われる金銭である。名称については退職手当、退職慰労金などと呼ばれることもある。
引用:Wikipedia
通常支払われる給与や賞与とは別に、労働者が退職する際に支払われるのが退職金です。
一般的に、勤続年数や役職、給料などから算定され支給金額が決定します。
自己都合による退職の場合、退職金は低く設定されており、
自己都合により退職した場合は退職金が低く設定されており、同じ勤続年数でも定年退職や会社都合による退職の場合に比べてかなり低くなることが多いです。
退職金の目的
退職金の目的は老後の生活費と位置づけられることが多いです。
従業員の老後の生活を保障する為のものと言っていいでしょう。
ただ、企業が退職金制度を導入する目的は他にもあり、それは、従業員の長期雇用にあります。
退職金は上記でも述べている通り、自己都合による退職の場合には支給される金額が低くなるように設定されています。
退職金だけで言えば、転職し複数の会社で勤めるよりも1社で勤めたほうが支給される金額は大きくなるのです。
日本の企業が従来から採用してきた終身雇用制度の一環とも言えます。
退職金制度は法律関係なし
退職金制度は多くの会社で採用されていますが、法律で定められているわけではありません。
退職金なしでも特に法律を違反している等は無く、問題のないことです。
ただ、退職金制度を導入しているのであれば、就業規則などに明記しなければならないということが労働基準法で決まっています。
第八十九条
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
三の二
退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
引用:労働基準法
ですから、退職金があるならば就業規則などに載っているし、載っていないならば退職金はありません。
公務員の退職金は法律、条例で決まっている
公務員については、退職金が支給されることが法律及びによって決まっています。
公務員の退職金は退職手当と言い、国家公務員では国家公務員退職手当法、地方公務員では各地方の条例で決まっています。
退職金の税金は優遇されている
退職金は普通の給料に比べ、優遇されています。
支給された退職金のうち、退職所得控除によってかなりの額が税金控除となります。
税金の計算は以下のようになります。
引用:国税庁「退職金と税」
退職金制度のある会社、退職金制度のない会社
老後の資金としてまとまった金額として支給され、税金も控除され通常の給料が低い。
退職金は絶対貰いたいですよね。
しかし、上記でも述べたように法律で決まっているわけではありませんからもちろん、退職金制度がない企業もたくさんあります。
退職金制度のない会社は意外に多い
退職金制度がなく、退職金がでない会社はどの程度あるかご存知ですか?
厚生労働省の平成25年就労条件総合条件総合調査の概況では、退職金制度のある会社と無い会社の割合は以下の通りとなっています。
- 退職金制度がある企業・・・75.5%
- 退職金制度のない企業・・・24.4%
およそ4社に1社は退職金制度が無く、退職金がでないのです。
なお、この結果は従業員が30人以上の企業を対象にした結果です。
30人以下の企業を含めると、退職金制度が無い会社はもっと多くなるでしょう。
企業規模別
企業別では退職金制度のある会社とない会社の割合は以下の通りとなります。
1000人以上
- 退職金制度がある企業・・・93.6%
- 退職金制度のない企業・・・6.4%
300人から999人
- 退職金制度がある企業・・・89.4%
- 退職金制度のない企業・・・10.6%
100人から299人
- 退職金制度がある企業・・・82.0%
- 退職金制度のない企業・・・18.0%
30人から99人
- 退職金制度がある企業・・・72.0%
- 退職金制度のない企業・・・28.0%
大企業ほど退職金制度があり、企業規模が小さくなるほど退職金制度が無い会社が増えてきます。
転職するなら大企業か中小企業か。働くことのメリットやデメリット。の中で紹介している通り、大企業ほど平均年収は高いです。
普段の給料に比べ、退職金においても大企業は優遇されているのです。
業界別
業界によっても退職金制度の有無は大きく異なります。
退職金制度を採用している業界の上位は
- 電気・ガス・熱供給・水道業・・・96.3%
- 建設業・・・91.5%
- 鉱業・採石業・砂利採取業・・・91.0%
- 金融業・保険業・・・89.2%
- 製造業・・・86.6%
一方、下位は
- 医療・福祉・・・50.1%
- 宿泊業・飲食サービス業・・・52.6%
- 生活関連サービス業・娯楽業・・・53.0%
- 運輸業・郵便業・・・60.0%
- サービス業・・・62.0%
退職金の使い道。退職金なしでも大丈夫?
退職金によって、まとまった金額が入ってきたらどんなことに使われることが多いと思いますか?
退職金の使い道の1位は貯蓄です。
定年後の生活の原資として貯蓄に回す人が多いのです。
それもそのはず、60歳の定年退職よりも、年金の受給は遅いですし、年金だけでは不十分という人も多いのですから。
では、退職金なしの場合にはどうなるでしょうか。
退職金なしの人は、独自に貯蓄を行わなければなりません。
ただ、平均年収が高いほうが退職金がでる割合が高く、平均年収が低い人ほど退職金がでないことが多いです。
すなわち、給料から貯金に回せる金額も少なくなってしまいます。
もし、退職金がでないけれど年収が低くて貯金もできないという人は、転職を考えたほうがいいでしょう。
さもなければ、60歳から65歳という年金すら貰えない時に、働きたくなくても働かなければならなくなってしまいます。
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